続・夕陽のガンマン 初見の感想
今更ですが、機会があったので『続・夕陽のガンマン』を視聴しました。前作である『夕陽のガンマン』は未視聴ですが、非常に楽しめました。
ネタバレ注意
あらすじ
プロットとしては、隠された大金を巡る争いというシンプルなものです。時代背景は、北軍と南軍が登場するので、恐らく南北戦争中。(北軍が青服、南軍が灰色の服)
主人公(恐らく名前不詳。トゥーコにはブロンディと呼ばれていた)、トゥーコ(主人公と争ったり協力したりする)、エンジェルアイ(悪玉)の3つの勢力がその金を狙って争います。物語の大部分では、主人公とトゥーコが協力関係にあるので、基本的には主人公&トゥーコvsエンジェルアイとその手下という感じで進んでいきます。
ある出来事で、トゥーコは大金の在り処をある墓場(名前は忘れました)のある墓標の元に埋められたと知ります。彼はどの墓標かは知りません。一方主人公はどの墓場かは知らないものの、大金が埋められた墓標の名前を知ります。互いに秘密を持っている限り、互いに生きてて貰わなければ困る関係になります。
主人公
寡黙でクールなカウボーイ。腕も立つし動揺も見せたりしない。ただ、所々情がある様子があるのもいいですね。トゥーコと彼の兄との会話を聞いている時の表情や、全く知らない死にかけの兵士にコートを掛け、葉巻を吸わせてあげるシーンは目が離せませんでした。イーストウッドの静かな笑顔はあこがれますね。
トゥーコ
当初組んでいた主人公に切り捨てられたトゥーコが主人公に復讐する筋書きを予想していました。それゆえにトゥーコがラスボスで、主人公と協力するのが意外でした。
トゥーコは度々スペイン語が出るところを見ると、メキシカンでしょうね。確かにメキシカンはあんな感じでしゃべります。フレンドリーなところも含めて。
トゥーコもしっかり腕が確かなところが素晴らしい。安易にトゥーコをただの卑劣なだけの男だったり、お笑い要因にしないところがこの映画のいい所ですね。一人で何人もの案ジェルアイの手下を倒したりしてかっこよかったです。神父になった兄との会話も好きです。トゥーコがただの舞台装置的な悪人でないことがわかります。
今作の悪役。北軍に属し、トゥーコから金のありかを聞き出すため拷問したり、物語の冒頭で同じ目的で人を何人も射殺しています。彼は小屋の中で拷問されている人の声や拷問の音が漏れないように兵隊に音楽を奏でさるのがお決まりらしいです。穏やかで悲しげな音楽をBGMに、激しい痛みに苦しむトゥーコは印象に残ります。奏者である兵士たちも、小屋の中で何が起きているか知っているので全体的に悲しさが溢れているシーンですね。
橋の北軍大尉
橋の戦いのシーンは非常に印象的でした。
ここの北軍大尉はこの橋を落とせば多くの犠牲者を出さずに済む、爆破する計画すらたてた事もあるが実行する勇気がないと言っていました。大尉の死に際に主人公とトゥーコはそれを実行したときは本当にうれしかったものです。
主人公とトゥーコが協力して橋を爆破したり、秘密を打ち明けたりと、二人の仲が深くなったと感じました。このシーンのおかげで、ひょっとしたら最後まで手を組んだままでいてくれるのではないかと期待したものです。
音楽
これは批判ではありませんが、ちょっと気になった点があります。ことあるごとに「決まった」という感じでピロピロピ~と流れます。正直中盤以降にはちょっと笑いました。
恋愛要素がない
映画にかかわらず、最近の物語は何かと恋愛をぶち込みたがる節があります。ひどいものだと、クライマックス直前にいきなり恋愛フラグ立てる映画もありました。この映画には一切恋愛要素がありません。恋愛要素が嫌いなわけではありませんが、不必要な恋愛要素にはうんざりでした。この映画はそんなものに頼らない部分も好きです。
あああ
序盤からトゥーコが大金の場所を知るまでは多少だれましたが、それ以降はトゥーコと主人公の関係が楽しくて逆にもっと見たいと思いました。
名作はやはり名作ですね。みてよかったです。
ちなみに原題のThe Good The Bad and The Uglyで、それぞれ主人公、エンジェルアイ、そしてトゥーコの事をさします。ただ、主人公は決してGood(いい人)とは言えませんよね。なんにしてもこの3人が南北戦争に対してどういう反応をしめしたのかに注目してもう一回はみたいですね。
みたことのない人には絶対にオススメします。