ざつ

SNSで呟くには長すぎる独り言。あとで見返して作品視聴当時の自分がどう感じたのかを知るための記録

ヘイトフル・エイト 感想

ウェスタンを期待して視聴しましたが、ウェスタンと聞けばほとんどの人が連想するであろう荒野の町でカウボーイが銃撃戦したりするものではありませんでした。天候は全て雪か吹雪で、舞台も馬車か建物の中でした。

非常に言葉も汚く、侮蔑的、暴力的なシーンが多いので観客を選ぶ映画です。

 

 

映画にしてはやや珍しく、本の様に章に分かれていました。画面に「第1章 章のタイトル」といった感じに表示され、場合によって語り手がいたりします。章ごとにフォーカスするキャラが変わります。おそらく章にわけなくとも問題なかったと思いますが、わかりやすくなったと感じます。

 

あらすじ

時代背景は南北戦争終了後の雪山、馬車で賞金首3人の遺体と賞金首一人ドメルグをレッドロックスまで搬送するルースという賞金稼ぎの元に主人公のウォーレンが相乗りを願い出ます。ルースは賞金首の仲間ではないかと疑いつつも乗せ、その調子でしぶしぶ同行者を増やします。

吹雪になったので紳士服店に立てこもります。そこには既に数名避難しており、その中の何人潜んでいるかわからないドメルグの仲間をあぶり出して始末する話です。

 

主人公のウォーレンは、黒人の賞金稼ぎで名誉ある南北戦争北軍兵士です。彼は作中、何度か愉快に笑いながら人を殺害していますが、相手も相当な悪人なので視聴者目線だとスカッとするかはわかりませんが、ただの快楽で行った行為でない事は理解できます。

マニックスという自称・レッドロックスの新保安官という人物。彼は賢いというか、立ち回りがうまい人物だと思っています。コーヒーでルースが毒殺された事件以降、ウォーレンに逆らわずに平に徹していましたが、最終章でウォーレンとドメルグに板挟みにされいていた場面が見せ場でしょうか。怪我と弾切れで動けないウォーレンと、ルースの遺体に繋がれたドメルグ。ドメルグがマニックスに吹雪が明けたら15人の仲間が押し寄せてくるなど脅しをかけたり他の賞金首を譲るなどの交渉をします。マニックスは交渉を進める様子を見せますが、コーヒー毒殺事件の際、彼自身もコーヒーを飲みかけた時にドメルグが止めなかった事を決め手に、彼女を一切信用しないと交渉を拒否しました。物語で見かけるパターンとして、相手がどんな信用ならない人物だろうと欲にかられたり、脅しに負けて交渉に乗ってしまう馬鹿がいたりするのでハラハラしました。実際マニックスは途中までウォーレンにビビって彼に従っているだけの男だと思っていました。私は彼が交渉に乗ってしまう可能性もあると思ってハラハラしていました。ウォーレンも言っていましたが、ドメルグも私もマニックスを侮っていたのです。最終的に2人はドメルグを店の中で吊り、もがいている様をみて笑い、動かなくなったところでマニックスが手紙を読み終えて物語は終わりました。2人ともたいそうな怪我をしていたため、その後生存したかは不明です。

 

結局、どう受け止めていいかわからない映画でした。罵倒と憎しみの連鎖を見せられました。