銀牙ー流れ星 銀ー(漫画) 感想
13〜14巻あたりまでの感想(そこでキリが良かったので)
最初は人間と熊犬のコンビで宿敵である赤カブトという熊を討伐する話かな〜と思いきや、途中から人間がほぼオミットされ、犬の集団で赤カブト率いる熊の軍団を倒すお話になった漫画。
かなり熱く、個人的には過小評価されている漫画です。王道な少年漫画といった感じで、登場人物はほぼ犬ですが、見分けがつくしキャラも立っている。この作者はおそらく世界で一番犬を描いた人ではないでしょうか?(他にも多くの犬漫画を描いていらっしゃる)赤カブト軍討伐というわかりやすい目標に向け、銀たちが日本中で強力な犬を説得したり戦って仲間にし、奥羽に待ち構えるラスボスに挑む。まるで勇者と魔王もの。(最終決戦に向けて仲間を集める様はFEっぽくもあると思ったり)その間赤カブトの方も他の熊を部下に加えていきます。
宿敵の赤カブトは銀を熊犬として鍛えた熊撃ちの老人により、頭部の一部を損傷。その影響で凶暴になり、人がなんども狩りに失敗している大物。この作者は犬だけでなく、熊も描くのがうまく、迫力があります。
犬ってだけで読まないのはもったいない作品です。欧州の一部では、かつてアニメが放映され、根強い人気があるんだとか。
アニメの方はどこでみれるかわからないので未視聴です。
以下ネタバレ注意
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トライアングル・タクティクス(体験版) 感想
オクトパストラベラーで話題になった2D-HDという手法が使われたトライアングル・タクティクスという作品の体験版をプレイしました。今回はRPGではなく、SRPG。SRPGといえばファイアーエムブレムが今なお生き残っていますが、こちらはタクティクスオウガやサモンナイトより。
独特なシステム
ゲームプレイ部分で特徴的なのをいくつかあげます。
挟み撃ち。敵ユニットを味方ユニットで挟むような位置取りで攻撃をすると、反対側の味方ユニットが追撃してくれます。敵も同じことをしてくるので注意が必要。慣れないと事故の元。
高低差や向きによるダメージなどの増減。これは割とSPRGではあるガチなシステムですね。
ちなみにFEなどと違って自動反撃はデフォルトではなく、スキルか兵種依存?
ストーリー
体験版だと6~7章、2マップ分プレイできますが、これだけでもストーリーに力を入れているのがうかがえます。自軍、敵軍視点だけでなく、第三者(将来の味方とか?)がメインシナリオでの出来事にどう反応しているかのサブストーリーもあります。
この作品の特徴である選択肢によって主人公の善とか悪とかが傾いたりする女神転生シリーズみたいなシステムもありますが、体験版の範囲だとその影響は計りかねます。
欠点を上げるとすれば、ストーリーに力を入れている割に、キャラの認識が難しい事。顔グラや立ち絵がなく、すべてドット絵で進行するのでこいつ誰だっけ?新キャラだっけ?ってなります。顔と名前が一致しないのにサブストーリーとか豊富に魅せられてもわからない、そうなるとせっかくのシナリオも魅力が伝わりにくくなってしまうのではないかと危惧しています。慣れるものなのか?この部分はフィードバックに入れてみようと思います。立ち絵とか顔グラとか出すゲームじゃないから!と言われればそうなのですが……。なんせキャラの名前も覚えきらないうちから地名や国名、登場すらしてない人物の名前などなどの固有名詞が矢継ぎ早に出てきますから、それくらいは勘弁してください。
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スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師 感想
スネイプ先生の俳優さんの歌声が拝聴できる映画
主演はジョニー・デップで監督はティム・バートン。アラン・リックマンは悪役。
アラン・リックマン演じるターピン判事に妻を略奪・殺害された上、流刑にされた理髪師のベーカーは十数年後、街に戻り復讐をたくらむ。その際、名前をスウィーニー・トッドに変更し、理髪師として店を構える。
画面も雰囲気も話もダークなミュージカル!
ミュージカルなだけにかなりの頻度で歌う。私は歌には疎いので細かい批評はできないのでシンプルに評価するとやや良い。一番いいのは映画の見せ場でもあるタービン判事とトッドのデュエット。声が低いってだけで聴き心地がいいと感じる。
理由はわからないけど、いかにもイギリス製の映画って感じでした。役者の顔ぶれですかね?ピーターペティグルーの人やベラトリクス・レストレンジの人など、ハリー・ポッターに出演していた方が登場します。あとは舞台であるフリート街の雰囲気ですかね?なんか窮屈で衣装含め舞台感を感じられました。
ネタバレ注意
続きを読むシグルイ 感想とラストの個人的解釈
シグルイは自分が読んできた漫画でも色んな意味で容赦のない漫画だと感じました。物語の展開から絵柄、残酷的な描写まで、類をみないものでした。
まずは絵柄の話を。目以外はリアルで、一部の人物は実在してそうなほどでした(高弟の丸子とか)。人が斬られた時も血をどぱーっと出さず(場合の寄っては血がない)、その断面をきっちり描き切るあたりはリアルではないのかもしれませんが、技の恐ろしさは伝わってくるので問題はありません。これもまた他の漫画ではめったに見ない描き方ですね。
また、この漫画は肉体にこだわりがあるのか、男のティクビもしっかり描いています。ただ丸が描いてあるだけでなく、しっかり立体的に。違う体系の人物の肉体を描き分ける技術も素晴らしいです。時代が時代なので仕方ありませんが、髪型のパターンが限られている上、登場人物が多いので一部の士の見分けがつかなくなるということもあります。あれ?この人数巻前にでてきたあの人と同じ人物だっけ?といった事が何度かあり、気になった場合はわざわざ他の巻を開いたりもしました。
容赦がないといえばあらゆる面で取り繕ずありのまま、といえば大げさですが、汚い部分を見せるのに躊躇いが無いと感じました。それは人々の生活だったり、主人公含むあらゆる登場人物の思考や行為だったり。主人公たちのやったことの多くが、現代の基準だと非道に感じられるものが多いです。読む人は、藤木たちが当時の価値観に生きている事を忘れないでほしいですね。当時のタブーも結構破ってるみたいだけど。主人公たちは強いのですが、身分は高くはないので高い身分の士に理不尽な目にあわされることもあります。世知辛い。
以下ネタバレ注意
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真昼の決闘 感想
原題: High Noon
白黒のウェスタン映画
主人公は中年の保安官で結婚したその日に、かつて町を暴力で支配した悪漢たちが帰ってくるという情報が。協力者を探し回るも誰もが恐れて手を貸してくれない。そのため主人公ただ一人で複数の悪漢に立ち向かうことに。
映画の大部分は主人公が協力者を探し回る時間です。銃撃戦はラスト10分ほど。主人公が敗れれば誰もが安心して外を歩けない日常が戻ってくるとわかっていても手を貸そうとしない町の人は愚かだがリアル。いや、現実だとまだ手を貸そうとする人がいてもおかしくないと思うけどそれはそれとして……。(一応作中で一人いたけど子供だったので断った)
味方を募っているのに味方がいないのは当時は型破りだったのかもしれませんね。ジョンウェインシリーズみたいに一匹狼でそもそも味方を探さない、俺一人でやるぜってタイプとは違いますからね。今見ても意外性は感じられないかもしれません。
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プラトーン(1986) 感想
舞台はジャングルでの虫の厄介さ、激しい天候、過酷な行軍・戦闘、待ち伏せ、村の略奪、モラル、仲間への不信など気の休まる暇のない映画です。大雨の中、敵の奇襲を警戒しながら地べたで寝ざるを得ないのはゾッとしますよね。昔ベトナムではなく、マレーシアにいた事があるので分かりますが、あのあたりの激しい雨は音が激しく、雨粒もでかいので大変でしょうね。音で敵の足音なども捕捉できないでしょうし。その上虫もいます。作中は赤蟻とヤスデが登場します。
主人公はテイラーというボンボンの少年。他の兵士はやむを得ず志願せざるを得なかった貧しい家庭出身だが、テイラーは大学を中退して自らの意志で志願した変わり者。それゆえに他の兵士から下に見られたり嘲笑や嫌がらせの対象になる。のっけから行軍についていけずに倒れたりする。いうまでもなく、テイラーの人生観の変わった経験でしょう。
登場人物は徐々に見分けが付くようになります。といっても、最低限覚える必要のある重要人物は多くはありません。主人公、エリアス軍曹、バーンズ軍曹くらいです。他にもジュニアやキングなどもいますが、やはり先の3人が映画の中核です。
ネタバレ注意
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BEASTARS 最終巻までの感想
BEASTARS 最終巻が発売されたので、単行本派の私はようやく読むことができました。独特な雰囲気と世界観を持った素晴らしいヒューマン(?)ドラマでした。
作品のテーマの一つに肉食と草食の共存がありますが、飽くまでレゴシがハルとくっつくまでのお話って感じですかね。始まりも終わりもレゴシとハルで、四畳半神話から引用しますが、「成就した恋ほど語るに値しないものはない」を地で行く感じで終わりますね。(レゴシとハルがくっつくのは明白なのでネタバレに入れていません)この二人がくっついた後の苦労などを描く事もできたはずです。しかしこれは飽くまでBEASTARS が終ってしまうのが惜しい私の自己中心的な希望ですね。正直もっと他のキャラや世界観を楽しみたかったです。
アニメ2期も楽しみです。
以下ネタバレ注意
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