ざつ

SNSで呟くには長すぎる独り言。あとで見返して作品視聴当時の自分がどう感じたのかを知るための記録

宝石の国(アニメ) 感想

宝石や風景が非常に美しい3Dアニメです。正直3Dでここまで美しい風景を作り出せるのかと感動しました。制作スタジオはBeastarsと同じオレンジという制作会社です。今後も期待したいですね。

 

舞台は人類のいなくなった地球で、代わりに宝石で体が構成された人型の生命体が少数集まって暮らしています(簡単にいうと宝石の擬人化)。時折月から月人がきて彼らを捕獲しようと襲ってくるので宝石人間たちは防衛します。基本この繰り返しです。

主人公はフォスフォフィライト(通称フォス)といって宝石人間の中で一番若く、硬度も低いため、ほかの宝石と触れ合うだけでヒビが入ったり欠けたりします。月人との戦闘でもほとんど役に立たない、そんな彼女の成長物語です。

見所はなんといっても3Dです。人物も3Dなのですが、動きも滑らかで表情もちゃんと動きます。戦闘シーンも気合はいっていますね。3Dの動きや表情のはばのせいか、たまにギャグなのか真面目なのかわかりにくいシーンもあったように感じます。

ビジュアルが美しいアニメでした。

 

以下ネタバレ注意(アニメのみ)

 

 

フォスフォフィライトの変化

フォスは作中何度か欠損し、ほかの鉱石で脚や腕を補完しました。その度に能力や性格に変化が見られました。特に腕が金などの合金になった時の性格の変化は著しいものがあり、元の彼女の性格がちらつくものの、ほとんど別キャラになってしまいました。個人的には元の明るいフォスが帰ってこないかなーとか思ったりしています。

体質(というか硬度)的に成長の限度があるので素材を変えることによって強くする発想は、宝石人間だからこその設定だと思います。多分、筋肉とかないから体を鍛えることもないでしょうし。

 

ストーリー

原作の序盤って感じでアニメの終わり方もまだまだこれからって感じでした。先生と月人の関係もまだ何もつかめていない状態で終わりました。なので基本的に襲ってくる月人との戦闘やフォスの成長、それとウミウシみたいな生命体がこの世界の人間に関してなにか言っていたな〜くらいなものです。

月人関連はもちろん気になりますが、個人的にはフォス達が奪われた宝石人間達を取り戻せるのかが気になります。フォスが新型の月人の中を覗いてアンタークチサイトを探しているところを見ると、取り戻す行為自体は可能みたいですね。是非、ばんばん取り戻してほしいです。

ちなみに個人的にはアメシストの2人がなんとなく好きです。声がいちいちダブるところが面白いです。フォスにも優しい

 

アニメーション

宝石や風景、動きも褒めましたが、時に違和感を感じたりもしました。これは自分が3Dアニメに慣れていないゆえなのかもしれません。キャラの形が一定すぎることに違和感を感じるのかもしれません。従来のアニメだとギャグシーンなどではキャラがややデフォルメ気味になったり形が崩れたりしますが、この作品は3Dゆえ形の変化などがないのです。2Dアニメーションだとそう言った場合、背景が集中線だけになったり、間抜けな背景になったりしてギャグシーンを強調させたりしますが、宝石の国はこういった演出も無く、背景も一貫していたのがアニメ的には違和感を感じました。

これは批判しているわけではありません。2Dから3Dに変わる代償みたいなものです。2Dで効果的な手法をそのまま3D持ってきても同じような成果を得られるわけではありません。おそらく3Dに集中線はうまく馴染まないことでしょう。2Dで効果的なのはより漫画に近いためです。3Dは立体感が生まれ、我々の次元に入門してくるので、そういった漫画的な効果は視覚的におかしいと感じるのだと思います。

Beastarsではこのような違和感を感じなくなったので、より従来のアニメの演出に近づける工夫があったのかもしれません。というかそもそも宝石の国の原作自体が崩さないスタイルだったのかもしれませんね。

 

美しい3Dが見たい方おすすめです。