ざつ

SNSで呟くには長すぎる独り言。あとで見返して作品視聴当時の自分がどう感じたのかを知るための記録

12人の怒れる男

12人の陪審員がとある少年の父殺害容疑に関する判決を議論する白黒映画。当初は時間の無駄だとか興味ないなどで有罪が11人、無罪が1人という状態から、一つ一つの証言や状況を検証していきます。頭ごなしに有罪だと決めつけ、あらゆる検証をくだらないと突っぱねる人も何人かいる中、当初より無罪を主張する陪審員8番が推理を重ね、他の陪審員を説得していく作品です。

 白黒映画な上、部屋で議論しているだけの映画ですが、ものすごく面白いです。

 

 

舞台

この作品は始まりからずっと陪審員たちが集まった一室でのみに限られています。この部屋以外のシーンは、冒頭と終盤数秒の裁判所のシーンのみです。回想もありません。

 

検証

最初の最初に少年が有罪であることに、少しでも疑いがある場合は有罪にするなというセリフがあります。これは陪審員の決まりでしょうね。

最初は有罪11に対し無罪1。正直私があの場にいたら有罪の方に票を入れていたでしょう。それくらい不利な状態でした。

証人の発言や凶器、凶器の使い方や被疑者の傷すらも検証していく細かさ。万能ナイフの扱い方の考察も興味深かったです。

それらの検証を認める人もいれば、認める気が最初っからなく、感情論で少年を有罪にしようとやっきになる人もいます。

検証自体はどれも論理的で憶測交じりですが説得力があります。少しでも疑いがある状態にするには充分です。

どの検証も証拠も確かなものではなく、陪審員はそれを確かめる術がないのがもどかしい所ですね。

何より恐ろしいのが、少年が冤罪だった場合と8番が陪審員にいなかった場合です。ちなみに作中では少年が有罪であると確信するに足る証拠はありませんが、完全に無罪である証拠もありません。少年の判決自体よりかはいかに有罪であるかに疑いを感じるかが重要な点です。

正直映画を覚えているかどうかの主張にたいしての8番の論破の仕方は無理あったと思います。事件直前の映画と、何日も前に観た映画を覚えてるかどうかは流石に比べられません。4番は少なくともタイトルの断片は出していたのに対し、少年は全く覚えていないときたものです。ここが有罪かもしれない要素ですね。

 

12人

短い映画に12人もいて見分けられるか危惧しましたが、全員個性があり、しっかり見分けることができました。

1は仕切り係でらくびーのコーチ

2は気弱そうに見えるがしっかりした声が高い男

3は息子とのトラブルという個人的な感情で最後まで有罪を主張していた男

4は理知的な眼鏡の人。論理的に有罪側の主張をしつづける。

5はスラム育ちの人。ナイフ検証に役立った。

6はおじいちゃんに優しかった人

7は野球の人

8は最初に無罪を主張した人

9は鋭い老紳士

10は偏見家

11は移民。民主主義のすばらしさを説いていたから民主国でないとこからきたのかも

12は眼鏡はつけたり外してたりしていた人。意見もコロコロかわる。

 

個人的には4が有罪サイドで論理的に意見を展開できていてお気に入りです。

 

 

 

 

まとめ

陪審員にフォーカスをあてる作品は珍しかったですね。それ以上に舞台があの狭い密室のみなのに面白かったのはすごいことだと思います。