ざつ

SNSで呟くには長すぎる独り言。あとで見返して作品視聴当時の自分がどう感じたのかを知るための記録

カッコーの巣の上で 感想

マクマフィーという囚人が、刑務所より精神病院の方が楽だろうと精神異常を装って精神病院に潜り込み、患者たちとの日々を過ごす映画。

子供の頃にこの映画を見えいたらどう感じていたのか、最後までみていたらトラウマになっていたでしょう。

個人的には患者たちとの交流が中心の中盤まではペースの遅さが気になりました。患者は全員個性があるので覚えやすいです。役者さんたちの演技も素晴らしく、みていて不安になるくらいでした。いきなり大声をあげたりするので音量には気を付けましょう。マクマフィーは病院で賭け事を持ち込んだり脱走したりとトラブル三昧。評価もしているし、観てよかったとは思うものの、ほろ苦さもありましたね。

 

以下、ネタバレ注意

 

 

主人公マクマフィーは人間的には好きになれない人物でした。キャラ的にはいいかき回し役で、患者たちにとっては良い人物なのは伝わってきました。ただ、脱走する好機を逃して酒におぼれて寝ちゃったり、甘い所も目立ちました。正直マクマフィーのハッピーエンドを望んでいたかは自分でも分かりません。チーフは好きだったので彼を救ってくれるなら是非うまくやってくれとは思っていました。

 

婦長は一見すると悪役に見えますが、彼女の立場だと怖かったり、うんざりすることが沢山あったのでしょうね。大変な仕事ですから。何か問題児の多いクラスの先生みたいな雰囲気がありました。それでも流石にビリーの件は許せませんでした。名言はされていませんが、ビリーの母は良くない親であろうことが、ビリーの怯え具合からみて取れます。それを知った上での婦長のあの態度ですから、マクマフィーが彼女に掴みかかった時はつい応援してしまいました。

 

好きなシーンはたいていチーフ関連で、特に彼が活躍したバスケの試合やマクマフィーに加勢したシーンが好きです。最後にマクマフィーに「別れ」を告げて脱走したシーンは観てよかったと思えました。

 

ラストでマクマフィーはビリーの仇をとろうと婦長を絞め殺しかけた罰でロボトミー手術を受けさせられ、廃人になってしまいました。別の映画でもロボトミー手術で人格を消されるシーンがあったので、ありがちな展開なんでしょうかね?なんにせよ、個人的には人間として死より恐ろしい結末ですね。ぞっとします。複雑な気分でした。精神病院や精神病患者というセンシティブで難しいテーマを上手く扱った作品ですね。